辻村深月さんとわたし

わたしの大好きな作家・辻村深月さん

辻村深月さんの小説との出会いは中学1年生のときだった。
わたしは運動が苦手で休み時間は外で遊ぶことより教室や図書館で本を読むことの方が好きな人間だった。休みの日も地元の図書館へ行けば2~3時間は滞在していた。ふらふら本棚を見て回るだけで楽しかった。その日もいつものように本棚に並んでいる小説を眺めながら歩いていると、ふとある小説が目に止まった。
それがこの本だった

冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)

冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)

「つじむらみづき…?」
読んだことない作家さんだなぁ。と当時のわたしは思った。でもこの本のタイトルに惹かれ、上~下を借りた。最初は本の分厚さに「読みきれるかな…」と心配だった。しかし読み始めるとぐいぐい物語に引き込まれた。学校に持っていけば休み時間になるたびに本を開き、家に帰っても読む。そしてあっという間に上巻を読み終えた。途中ホラー的な場面もありビクビクしたがそれでも続きが気になり読み進めた。小説を読んでいてこんなに脳みそをフル活用させたのは初めてでした。読み終えたあとの達成感は凄かった…。
「うわ…なにこれ」
と読み終えたわたしは思った。鳥肌がたった。
鋭い心理描写、怒濤の伏線回収…あんなに分厚いと思ってたのにあっという間に読み終わってしまった。恐ろしい。そしてわたしは
「この人の作品、もっと読んでみたい!」と思った。そして図書館に行き借りたのがこれ

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

これも面白くて一気に読んでしまった。しかし読み終わってから後悔した。そのときわたしは知らなかったのだ。辻村作品は作品同士がリンクしあっているということを。もちろん個々の作品として読んでも面白いが、読む順番によっては感想が大きく変わってくるものがある。そして『名前探しの放課後』を読む前にはこれと

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

これ
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

この二冊を読んでからのほうが、「あ!これってもしかして!」「え!そうなの??」「うわー泣」
という驚きと感動が倍増する。名前探しの放課後に関しては順番大事だと思った。特に前の作品を読んでないと最後のオチが??になってしまう。それだけが悔しい。

ともあれリンクを知ったわたしは
「なにそれめっちゃ面白いじゃん」
と、少ないおこづかいで辻村作品を買い集めていった。そして気がついたら沼にはまってた。



辻村さんの作品は優しく温かく、わたしを支えてくれる言葉がたくさんあった。ときにはこちらをグサリと刺すような作品もあるが、救われるものが多い。


辻村さんの作品に『スロウハイツの神様』がある。

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

これはわたしが辻村作品の中でも1番好きな作品といっていい。この本の中で登場人物の千代田公輝が自分の作品を「大人になるのを支える文学」と表現している。
辻村さんの作品はわたしにとってまさにそれで、今でもわたしを支え続けている。