かけらを集めて

結局はLOVEでしょ

すみっコぐらしの映画を観た(ネタバレあり)

※途中ネタバレを含んだ内容になっています。





映画「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を観てきました。


私自身、かれこれ6年くらいすみっコぐらしを応援していてグッズや本を買ったりすみっコぐらし展に行ったりするくらいすみっコぐらしが好きです。
映画化が決まったときは嬉しい気持ちと「すみっコたちの声はどうなるんだ…?え、声つけちゃう??」という心配かつ複雑な気持ちもありました。しかし完成した映画は、すみっコたちに声はつくことはなく(字幕はある)、ナレーションをつけて物語が進行していく形になりました。これがとても良い。すみっコたちの世界観を壊すことなく作られていて安心しました。


あらすじとしては、
ある日、すみっコたちが行きつけの喫茶店の地下室で、ふしぎな飛び出す絵本を見つける。眺めているうちに絵本の中に吸い込まれてしまう。そこですみっコたちは迷子のひよこ?と出会う。ひよこ?のお家を探すために、すみっコたちは絵本の世界で奮闘する…というお話。



映画の感想なんですが、丁寧に作られていて、純粋にいい映画だと思いました。構成も音楽も良かったです。


ネタバレにならない程度に書くと…

まず始めに各キャラクターの説明をしてくれる親切設計。ああ、この子はこういうキャラなのね…と初見の人にも分かりやすい。予備知識がなくても観られます。

そしてすみっコたちの動きが可愛い!!!なんだあの可愛い生き物たちは!!!癒されるひたすら癒される。もちもち動くすみっコたちが可愛くて可愛くて…。すみっコたちの一挙一動に「可愛い……」と口元が緩みました。でもみんな同じではなくて、ぺんぎん?は足音がペタペタしてたり、揚げ物のとんかつとえびふらいのしっぽは足音がサクサクしてるの…。演出が細かい。すみっコたちの魅力や特性が存分に生かされていました。


そしてこの映画「大人も泣ける」と言われていて、実際わたしも泣きました。涙がポロポロこぼれた。
最初はすみっコたちが動いてることに感動したものの、その可愛さに癒され、時々クスッと笑っちゃううな場面もあり、ほのぼのとした気持ちで観ていたのですが…。終盤のある展開で「うぉぉ…」「そ、そんな…」と涙腺を刺激されました。
暖かくて優しい世界。だけどちょっぴり切なくなる。実に良かった。疲れた心に染みる映画でした。


「逆詐欺映画」とか「鬱映画」とか「実質◯◯」とか色々言われて良くも悪くも?話題になってるけど、そんな評判とか比喩表現とか無しで観てほしい。純粋に「すみっコぐらしの映画」を楽しんでほしいと思いました。


想像以上に映画が評判になってビックリしているのですが、この映画をきっかけに一人でも多くの人にすみっコぐらしの魅力が伝わり、ファンになってくれたらいいな~と思いました。そして末永く続くコンテンツになってほしいな…と願うのでした。


『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』劇場予告(60秒)11月8日全国ロードショー!






さて………






※ここからはネタバレを含みます!!!




桃太郎、マッチ売りの少女、アラビアンナイト、人魚姫など、絵本の世界でひよこ?の家を探すすみっコたちは「みにくいあひるのこ」の世界にたどり着きます。

そうか、ひよこ?は「みにくいあひるのこ」だったのか…。と、ここまではなんとなく予想は着いてたんですよ。ひよこ?=みにくいあひるのこなんだって。
これでめでたしめでたし……かと思ったら、とかげが転んだ拍子に近くにあった仕掛けボタンを押してしまい、登場したのは本物の白鳥の子???

そ、そんな………ひよこ?はみにくいあひるのこではなかった??
やっと見つかったと思ったのに……。失意で湖に沈んでいくひよこ?….。あとを追うように湖に飛び込むすみっコたち。
たどり着いた先は何も無い真っ白な世界─。


ひよこ?の正体は絵本の白紙のページに描かれた落書きだったのです。その場所でひよこ?はずっと孤独だった。寂しかった。すみっコたちを見つけたときに「なかま!」だと思ったと…。
ひよこ?の話を聞いたすみっコたちは、もう仲間だよ。一緒に帰ろ!と、仲間の印として頭にお花をつける。なんて優しい世界…。
そして天井に光の入口が─。
あそこを通れば帰れる!でもどうやってあそこまで行く…?と考えるすみっコたち。どうしようどうしようと爪を研ぐねこ。そして爪で破かれたページからなんと物語のパーツが出てきた!!
ナイスねこ!!!

皆でパーツを積み上げて塔を作る。完成した塔の一番にいたひよこ?が、光の入口に向かって跳ねる。しかし、ドンッとぶつかるだけ。ドンッドンッ…。と、通れない…?
そこでおばけが光に吸い込まれたとき頭についてた花だけが残されたことを思い出す。
ああ…絵本の世界のものは外に行くことはできない…。ここで全てを悟ったひよこ?が切なすぎた。
そんな…そんなのないよぉぉぉぉぉぉ(泣)

何も気づいていないすみっコたちは塔に登って光の入口を通ろうとする。そこでひよこ?がいないことに気がつく。全てを悟ったひよこ?はいつの間にか塔を降りていた。どうしたの?とすみっコたち。自分は大丈夫、というように首を振るひよこ?

連れ戻そうするぺんぎん?が動いたことによって塔が崩れるそうになる。お、落ちる…危ない!!!と、なったところで、ひよこ?が棒で支えてギリギリセーフ!!!!…では無かった。ひよこ?だけで棒で支えていた塔は次第に傾いていく。必死に棒を支えるひよこ?

ついに倒れる─とそこに現れたのが猿、犬、キジ、オオカミ、鬼、キツネ…今までの登場キャラたちが大集合して一緒に支えてくれる。悪者なんてこの世界にはいない。鬼もオオカミもみんな味方。なんて優しい世界…。

ひよこ?がすみっコたちの世界に行けないことに気づいて動揺するぺんぎん?
次々と入口を通っていくすみっコたち。次第に小さくなっていく入口…。もうすぐ閉じる!早く行こうよ!!ってときの、いつもはすみっこの奪い合いをしてるライバル的な関係のしろくまとぺんぎん?のやりとりに泣けた。先にしろくまに行ってもらって、さらに小さくなる入口。もうぺんぎん?通れないんじゃ…どうすんのぉ…と思ったところで登場したのが、いつもはすみっコたちをすみっこからつまみ出すアーム!!!普段は悪的?ポジションのアームが入口を広げてくれてるの。
あ、アーム!アーム先輩ぃぃーーー!!!てかアーム先輩だけ冒頭に紹介なかったな??こんな見せ場があるのに!!!!もはやこの映画のMVPでは!!!???

そして、ぺんぎん?とひよこ?の最後のお別れの時…。このシーンが最高に切なすぎた。迷子のひよこ?に対してどのすみっコよりも感情移入して奮闘していたぺんぎん?…。ぺんぎん?に向かって手を振るひよこ?…。健気。なんて健気なのひよこ?ちゃん…。最初はすみっコたちに見つめられただけでポロポロ泣いてたのに…。成長したね(涙)
そしてぺんぎん?も入口を通ってついに閉ざされた入口。仲間の印としてつけていたお花だけがパラパラと舞い散っていく…。つ、辛い…。

この終盤のシーンはナレーションが無くなり、すみっコたちのやりとりのみで物語が進行していくのですが、ナレーションが無いことで、より物語に引き込まれました。

後日。元の世界に戻ったすみっコたちは、絵本の白紙のページに絵を描き足していた。そこにはひよこ?と、ひよこ?風のすみっコ達。そして仲間の証の花が咲き誇っていた。


エンドロールではひよこ?とひよこ?風のすみっコたちが再会して、一緒に遊んだりするシーンが描かれていた。最後はすみっコたちが寄り添いあって寝てるシーンで終わりました。
このエンドロールがね、切ない。いや、救いのあるハッピーエンドかもしれないけど切なくなっちゃう。
ひよこ?どうか幸せでいてね…(涙)

このエンドロールに流れる原田知世さんの「冬のこもりうた」がめちゃめちゃいい曲。

さよなら また会おう 今頃好きだよ…(泣)



元々すみっコぐらしは、作者のよこみぞゆり先生が学生時代にノートに描いていた落書きが原案。このエピソードが今回のひよこ?に繋がっているのかなぁ…?ここで原点を持ってくるなんて!!と唸ったし、さらにぺんぎん?はすみっコ初期案から唯一存在していたすみっコだったはず。
この映画でぺんぎん?はどのすみっコたちよりもひよこ?に感情移入していましたが、このすみっコ誕生の経緯を踏まえると、ぺんぎん?とひよこ?の関係性により一層グッとなってしまった。
もう、ぺんぎん?とひよこ?が並んでる絵を見るだけで泣いてしまう…。

「きみもすみっコ?」という映画のコピーも、映画を観る前と観た後では感じかたが変わりました。

もはや本の白紙のページを見ただけでひよこ?を思い出して泣く(重症)





ここからはあまり深い考察とか、語彙力のある表現とかはできないので、好きな場面、ツボだった場面を箇条書きに書きます。順番とかごちゃ混ぜだけど許してください。


・喫茶すみっコの地下街で自由に振る舞うすみっコたち。特にぬいぐるみを見て「おかあさん…」ってなってるとかげちゃん(泣) ※当方とかげ激推し
・話すときにもにょもにょ動くとかげちゃんのお口。
・真っ先に絵本に吸い込まれそうになったえびふらいのしっぽ(の、しっぽの先端部分)を掴むとんかつ
・たぴおかの頭に草をつけてえびふらいのしっぽに見立てるとんかつ
・物語を進ませようと何度も繰り返す本上さんのナレーション
・イノッチの時々ツッコミを入れるナレーション
・我を忘れたかのように四足歩行するえびふらいのしっぽ(しかも俊敏)
・一緒になってからは手を繋いでるとんかつとえびふらいのしっぽ
・「食べてくれるの?」とキラキラおめめでオオカミに迫るとんかつ
・マッチをつけて暖かいものを妄想するしろくま
おでん!がお鍋に入ったやつじゃなくてコンビニとかにある業務用のだった。
・自分も寒いのにふろしきをひよこ?に被せてあげるしろくま。優しい…。
・ソリで月まで飛ぼうとするしろくま
・絨毯を乗り越せないぺんぎん?
・ひよこ?のお家がみつかりますように、と流れ星にお願いするぺんぎん?
・ひらけ、きゅうり
・涙で潤んだひよこ?の目に浮かぶ「ゴマ」の文字
・とかぎょ姫!!!!!!!!!
パリピにせつむり&船上パーティーするたぴおか&ほこりたち。BGMがEDM
タイタニックするたぴおかとほこり
・海に落ちそうになったにせつむりを尾ひれでビンタして助けるとかぎょ姫
・お腹を空かせた鬼にきび団子をあげるねこ。優しい…。
・穴を掘って逃げるねこ。しかし鬼も入れちゃうサイズの穴を掘る。
・砂浜で寝そべるしろくまに「やすんでて」と声をかけるとかげちゃん。優しい…。気遣いのできる子だ…。
・おうちがみつからないひよこ?に「そっか…」と言って寄り添うとかげちゃん。優しい…。
・とかぎょ姫のときは尾ひれで移動するとかげちゃん。んんんん…可愛い!!
・泳げない、水に弱いすみっコのために泡のバリアをつくるとかげちゃん。いつの間にそんな技覚えたの?!とかげちゃん凄い!!!!
・たぴおかは泳げる
・光の入口でつっかけるしろくまのおしり

…と挙げたらキリが無いな。思い出したらもっとあるし、もう一回観たらもっと増えそう。





もうね、とにかくすみっコたちが可愛いんですよ。



映画を観て、すみっコぐらしに興味を持った方は、書籍も何冊が出ているのでぜひ手に取ってみて下さい。
すみっコぐらしはいいぞ!!!