かけらを集めて

結局はLOVEでしょ

いきものがかり 水野さんと山下さんの歌詞について

いきものがかりはメンバー3人とも作詞作曲をしていて、今までの楽曲の大半は男子メンバーの水野さんと山下さんが手掛けています。曲を聴いていると「この歌詞、水野さん(よっちゃん)っぽいな」って思ったり、「ここの歌詞めっちゃ山下さん(ほっち)だ」と感じることがあります。

この二人の歌詞にはどんな違いがあるのか?というのを疑問に持ちまして、大学のゼミで少し触れたことのあるソフトを使って歌詞分析してみようじゃないか!と思い立ちました。

ソフトを使ったとはいえ手作業もあったし、
完全に正確ではないと思います(集計漏れがある気がしてならない)ので、
正直ガバガバです!笑
分析といってもわたしの主観もかなり入ってますし、お遊び程度でやってるので
「だいたいこんな感じなんだな~。へ~~」
ってくらいの軽い気持ちで楽しんでいただけたら幸いです。


・今回集計した曲は、メジャーデビュー曲『SAKURA』から最新曲『生きる』までで、
水野さんと山下さんが単独で作詞をした曲のみを対象としました。
水野さん→64曲、山下さん→56曲を集計。
メンバーで共作した曲(ホットミルク、ちこくしちゃうよ、月とあたしと冷蔵庫、涙がきえるなら、太陽)は対象から外しました。

・歌詞のテキスト化には「Lyrics Mater 2」を使用。
・語句の抽出・分析には「KH Coder」を使用。






まずは頻出語上位20語を見てみましょう
※今回使用したKHcoderでは「僕」「私」などは強制的に弾き出されるので、それらの語は入ってないです。


よっちゃんの曲

ほっちの曲

よっちゃん曲の上位3つの「手」「今」「夢」はJポップでは比較的よく出てくるの語だと思うのですが、その次にある「WE」や「Chu」はなかなか無いのでは???しかも48回もある「Chu」はKISS KISS BANG BANGの一曲だけで出てくるんですよ。めっちゃChu Chu言ってるじゃん…(笑)
あと「LA」は水野曲といえば曲終わりの「La La La〜」といっていいほどめっちゃ出てきます。

ほっち曲は「今」「明日」「いつ」と、時間に関する語が上位という結果になりました。




ここからは品詞別に見ていきましょう。
いろんな品詞がありましたが、特に気になったものをピックアップ。二人とも共通して上位に入ってる語は青(よっちゃんの場合ひらがなも同じに含めました)、特に注目したい語に黄の色を着けました。

名詞

※KHCoderの分類だとひらがなの名詞は名詞B、漢字一文字の名詞(手、愛など)は名詞Cというふうに別々に分類されました。なのでここでは漢字二文字以上の名詞となってます。


「青春」はほっち曲にはひとつも出てこないワードでした。確かによっちゃん曲は『青春ライン』『青春のとびら』『さよなら青春』などなどタイトルにも「青春」がつく曲がいくつかありますね。
「景色」はよっちゃん曲では一回のみ登場という結果でした。


動詞

「笑う」や「歩く」が上位にくるのはなんとなく予想してましたが、「抱きしめる」がこんなに上にくるなんて意外。え、抱きしめる?!?!そんなに抱きしめてた??って(笑)
ほっち曲にも「抱きしめる」は登場しますが、1桁だったのでこんなに差が出るのはびっくりしました。
この「抱きしめる」は"想い"を抱きしめるも含まれてるのですが、『コイスルオトメ』の「あたしを抱きしめて」や『MONSTAR』「キミとボクで抱きしめあいたい」『うるわしきひと』の「うるわしきひとよ いつまでも抱きしめて」というような「抱きしめる」も多く登場します。
あと、よっちゃん曲で「生きる」が最上位層にあるのは生や死を意識して曲を作ってるよっちゃんならではなのかなぁ…と思いました。一方で「死」と直接的に出てくるのは1回だけなんですよね。

二人を比べると、よっちゃんは人の動きを表す動詞、ほっちは変化や状態を表す動詞が多いかな?という結果になりました。


形容詞

ほっち曲で上位にあった「淡い」や「儚い」はよっちゃんの曲ではそれぞれ2回ずつ登場。
どちらかというとよっちゃんの曲は「強い」だったり「熱い」だったりといった力強い言葉が、ほっち曲は「儚い」「淡い」といった柔らかい言葉が似合うような気がする(主観です)


形容動詞

よっちゃん曲の上位ワードが直球すぎて眩しい…。
ここで注目したいのが「好き」「大好き」
一部例



ちなみにほっち曲は「好き」が3回、「大好き」が1回と、大きく差が出ていました。
ほっち曲に出てくる「好き」「大好き」を見てみると


『message』に登場する2回以外は「夕焼けが好きなんだ」(『オリオン』より)
「大好き」は「大好きなことがまだしたいややいや」(『Sweet!Sweet!Music!』より)というような、"もの"や"こと"に対して「好き」と言っていました…!!
ほっちのラブソングでは「好き」と直球で表現するのは少ないみたいです。
「好き」「大好き」と直接ではないけど、別の表現で相手への想いを表しているのがほっちらしいと思いました。




副詞可能

上位はそんなに変わらないけど、よっちゃんのところには「春」が入ってます。「春」をテーマにした曲(SAKURA、花は桜~、春)の他にも、"春を待ってる"だったり、"もうすぐ春"だったり。よっちゃんは「春」をよく歌詞に使ってるな~と思います。
よっちゃんは以前Twitterでこんなことをツイートしてました。




「春」が多いのは、このような想いも込められているのかなあと感じました。


また「今宵」が登場するのはよっちゃん曲では『ぱぱぱ~や』の1回のみ。
ほっち曲は『恋詩』『ニセモノ』『幻』『真昼の月』などに使われてます。確かにほっちの大人っぽい世界観の曲には"今宵"が似合う(主観)


最後に共起ネットワークを見てみます。
これは語と語の繋がりを表した図になります。
繋がってる線が濃いほど関連があり、円の大きさは頻出度を表しています。色である程度グループ化されていて同じ色は一緒に現れやすいです。

よっちゃん曲

ほっち曲


こう見ると、
よっちゃんは"今"を生きる、ほっちは"未来"を見つめる、と思えなくもない…?(これまた主観)
よっちゃんの共起ネットワークでは「涙」と「笑顔」が濃い線で繋がってたり、「泣く」と「笑う」も線で繋がれてるのがなんだかグッときますね。
さすが泣き笑いせつなポップ3人組…。

ほっち曲のほうの下半分(青と緑)は主に応援ソング系からきてるようです。
『try again』『心の花を咲かせよう』『今走り出せば』『夢見台』『風と未来』など…。確かに未来に向かっているような曲がほっちにはたくさんあるような気がします。


あとどちらも「恋」がありますが、よっちゃん曲はその先に「終わり」がありますね。
・この恋の終わりを~(『恋愛小説』)
・終わりゆくこの恋に~(『君と歩いた季節』)
・静かに終わるこの恋が~(『赤いかさ』)
・恋は終わった~(『真夏のエレジー』)
と、恋の終わりを描写した曲が多数あります。


どの語がどの曲から来ているのか?を考えてみると面白いかもしれないです。明らかに一曲だけだろってのもありますけど。ここはもう少し調整が必要だったかな…。






今回は二人を比べてみましたが、曲数が増えたら聖恵ちゃんの曲も加えてみたいな~と思ったり、独立して何か歌詞にも変化が出てくるかもしれないし…。何年後かにまたやってみると面白いかも。

KHcoder触ってみるとまだいろいろ機能があったので、何か面白い結果があればまた載せたいと思います。


ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました~!